2014/06/11 (Wed) 17:18:28 Catil. 1.13 - 兎狐

第13節に入ります。


(1) 兎狐 — 6/25
num dubitas id me imperante facere quod iam tua sponte faciebas?

(2) nolimbreさん — 6/30
exire ex urbe iubet consul hostem. interrogas me, num in exsilium?

(3) fnkmさん — 7/1
non iubeo, sed, si me consulis, suadeo.

(4) noukoknowsさん — 7/2
quid est enim, Catilina, quod te iam in hac urbe delectare possit?

(5) gtlttnさん — 7/3
in qua nemo est extra istam coniurationem perditorum hominum qui te non metuat, nemo qui non oderit.

(6) 810874さん — 7/14
quae nota domesticae turpitudinis non inusta vitae tuae est?

(7) fnkmさん — 7/15
quod privatarum rerum dedecus non haeret in fama?

(8) 兎狐 — 7/16
quae libido ab oculis, quod facinus a manibus umquam tuis, quod flagitium a toto corpore afuit?

(9) noukoknowsさん — 7/17
cui tu adulescentulo quem corruptelarum inlecebris inretisses non aut ad audaciam ferrum aut ad libidinem facem praetulisti?

___
[13] text (perseus) http://goo.gl/fXbzHr

Edit
Delete
2014/07/01 (Tue) 10:43:39 Re: Catil. 1.13 - fnkm

訳だけでお願いします。

non iubeo, sed, si me consulis, suadeo.

「(追放を)私は命じないが、もしお前が私の意見を尋ねるなら、私はそう勧める。」


Edit
Edit
2014/07/02 (Wed) 23:44:02 Re: Catil. 1.13 (1) - 兎狐

担当分です。かなり遅くなりまして<m(__)m>

(1) num dubitās id mē imperante facere quod iam tuā sponte faciēbās?

「まさか、お前はこれまで自らの意思で為してきたことを進めるのに、私の下命に随うことになるからといって躊躇するわけでもあるまい。」

num : 否定の答えを予期する疑問文を導入する / dubitas : dubitāre {pres. ind. act. 2sg.} 「ためらう」 / id : quod 節の先行詞。facere の対格目的語。 / me imperante : abl. absol. "dubitas id facere" の理由。「私が命令するから(それを為すことをお前はためらっている)」 / quod : id にかかる / iam : すでに / tua sponte : 「お前の意思によって」=「自発的に」/ faciebas : facere {impf. ind. act. 2sg.}

Edit
Edit
2014/07/02 (Wed) 23:58:28 Re: Catil. 1.13 - noukoknows

課題の提出です. よろしくお願いします.

訳: 正直に言って(=enim), カティリーナよ(=Catilina), お前を喜ばせることのできるようなものが(=quod te ... declare possit)この街に(=in hac urbe)まだ何か残っているだろうか(=quid est)?

この文中のquodは所謂relative clause of characteristics = "of such a kind as..."であり, それゆえpossitが直接法ではなく接続法になっている. この"a kind"のニュアンスを出すために, 当該箇所の訳文は敢えて「お前を喜ばせることのできるもの」ではなく「お前を喜ばせることのできる*ような*もの」とした.

Edit
Edit
2014/07/03 (Thu) 05:43:02 Re: Catil. 1.13 (5) - gtlttn

担当分、提出いたします。添削よろしくお願いします。

【読みかた】in quā nēmō est extrā istam coniūrātiōnem perditōrum hominum quī tē nōn metuat, nēmō quī nōn ōderit.

【文法解釈】in quā: 直前 1.13. (4) の in hāc urbe を受けて「この町には」の意。perditōrum hominum:「破滅的な人間どもからなる」(perditōrum hominum [部分の属格で istam coniūrātiōnem にかかる])」。extrā istam coniūrātiōnem:「かの陰謀〔の輪〕の外には」。nēmō est [...] quī ~, nēmō quī ≈:「~したり ≈ するような者は誰もいない」。tē nōn metuat:「お前を不安に思わない」(metuat < metuō 接続法現在能動 3 人称単数)。nōn ōderit:「〔お前を〕嫌わない」(ōderit < ōdī 接続法完了能動 3 人称単数[ōdī 自体が現在の意味を完了形で表す動詞なので、ここでも接続形現在の意味を表すために接続法完了形が用いられている])。

【訳】この〔町〕には、お前のことを不安に思わず、嫌ってもいないような者は、破滅的な人間どもによるかの陰謀〔の輪のなか〕をのぞいては、誰一人としていないのだ。

Edit
Edit
2014/07/03 (Thu) 17:58:21 Re: Catil. 1.13 (3) - 兎狐

fnkmさん

ありがとうございます。

(3) nōn iubeō, sed, sī mē cōnsulis, suādeo.

> 「(追放を)私は命じないが、もしお前が私の意見を尋ねるなら、私はそう勧める。」

お訳しの通りです。直前で "exire ex urbe iubet consul hostem" と言われてからの "non iubeo" ですから、お書きの通り「(追放を) 言い渡しているのではない」ということになろうかと思います。

1. 10 (3) で "perge quō coepistī: ēgredere aliquandō ex urbe; patent portae; proficīscere." と命令法を用いて直球で言われたのは、いわば一元老院議員としての意見とでもいいますか、そのように読めるのではないかと思います。それに対して、ここでは国家を託された執政官として発言しているわけです。直前の (1) で "iubet consul hostem" と敢えて「執政官」が言い渡しているということが強調されたのは、そのためかと思われます。

このようにキケローがカティリーナにローマを離れて仲間の下に馳せ参じることを「勧める」のは、追放を命じるまでもなく、カティリーナにはその道しか残されていないということを知っていたからです。そうして決起させて一気に敵を殲滅することが目論まれています。

Edit
Edit
2014/07/10 (Thu) 03:08:34 Re: Catil. 1.13 - nolimbre

遅くなって申し訳ありません.

exīre ex urbe iubet cōnsul hostem. interrogās mē, num in exsilium?

執政官は敵に国外退去を命ずる.さて自分が追放されるのか聞きたいかね.


今回は2文目の解釈に迷いましたが,num in exsilium は私に尋ねる内容を直接話法で言ったものと考えました.文法的には interrogās mē 「お前は私に尋ねる」がこの文のメインですが,意味的には挿入句的(?)になっています.「聞きたいかね」とかなり意訳してみました.

最後の exsilium は acc. なので,in exilium は exsilium に向かっていく感じで,「これから追放されることになるか」というニュアンスがあります.es が省略されています.

Edit
Edit
2014/07/11 (Fri) 11:19:14 Re: Catil. 1.13 (4) - 兎狐

のうこさん

ありがとうございます。

(4) quid est enim, Catilīna, quod tē iam in hāc urbe dēlectāre possit?

> 訳: 正直に言って(=enim), カティリーナよ(=Catilina), お前を喜ばせることのできるようなものが(=quod te ... declare possit)この街に(=in hac urbe)まだ何か残っているだろうか(=quid est)?

この箇所で言われることは、先でもほとんど同じ事が言われました:

 Catil.1.6 (3) Etenim quid est, Catilīna, quod iam amplius exspectēs
 (実際、何がある、カティリーナよ、今やお前がこれ以上期待できるようなものが)

___
少しだけ補足させて頂きます。

【 enim 】
直前でキケローはカティリーナに街を出て行くことを勧めましたが、その理由として導入されています。
 「というのも、何がある、カティリーナよ」

【 quid est . . quod . . possit? 】
> この文中のquodは所謂relative clause of characteristics = "of such a kind as..."であり, それゆえpossitが直接法ではなく接続法になっている.
お書きの通りです。
> この"a kind"のニュアンスを出すために, 当該箇所の訳文は敢えて「お前を喜ばせることのできるもの」ではなく「お前を喜ばせることのできる*ような*もの」とした.
良いですね。

【 in hac urbe 】
この前置詞句は関係文中にあるので直前の iam と合わせて正確には delectare possit にかかりますが、お訳しのような感じでも意味は変わらないので良いと思います。
 「(今や)この街で(お前が喜びを得られるようなもの)」


Edit
Edit
2014/07/12 (Sat) 19:22:48 Re: Catil. 1.13 - noukoknows

おお, in hac urbeはdelectare possitにかかるのですね. 確かに言われてみれば...

ご添削ありがとうございます.

Edit
Edit
2014/07/12 (Sat) 23:20:41 Re: Catil. 1.13 (5) - 兎狐

gtlttnさん

ありがとうございます。お待たせ致しました!
蒸しかえった部屋から汗だくでお送りしますm(__)m

> 【読みかた】in quā nēmō est extrā istam coniūrātiōnem perditōrum hominum quī tē nōn metuat, nēmō quī nōn ōderit.

>【訳】この〔町〕には、お前のことを不安に思わず、嫌ってもいないような者は、破滅的な人間どもによるかの陰謀〔の輪のなか〕をのぞいては、誰一人としていないのだ。

お書き下さった解釈の通りかと思いますので、少しだけ補足させていただきます。

【 in qua 】
= et in eā / = et in hāc urbe と読みます。

【 extrā istam coniūrātiōnem perditōrum hominum 】
>「かの陰謀〔の輪〕の外には」
指示代名詞 iste には pejorative な意味が読みとられようかと思われます(が、訳出しようがないです)。coniuratio ですが、ここは物事の名称によってその従事者を指す類いの換喩 (metonymy) です (OLD s.v. coniuratio 2b)。「陰謀〔の輪〕」というのもこのような解釈でお書き下さっていることと思いますが、思い切って「共謀者ども」としてしまっても良いかもしれませんね。perditorum hominum の属格は私も同じように読みました。
 「かの退廃した共謀者ども(クソども)を除いては」

「それに、ここにはお前に恐怖感を覚えないような者、嫌悪感を抱かないような者はいないのである。あの腐った共謀者どもを除けばの話であるが。」


Edit
Edit
2014/07/12 (Sat) 23:28:22 Re: Catil. 1.13 - 兎狐

のうこさん

逐語的に訳してみて、その上で意訳するとラテン語と日本語との違いが良く分かって面白いです。意味がとれればそれで読めはするのですが、一語一語正確に読むことによって、彼らの思考の軌跡を辿ることが出来ます。それは古典を原典で読む大きな意義のひとつではないかと思っております。こうして打たせていただけることで私自身初心に戻ることが出来るので、ありがたいです ^^;

Edit
Edit
2014/07/14 (Mon) 19:53:45 Re: Catil. 1.13 (5) - gtlttn

兎狐さん

コメントありがとうございます。あぁ、換喩なんていう技法があるのですね。いやはや、勉強になります。

Edit
Edit
2014/07/16 (Wed) 21:14:15 Re: Catil. 1.13 (2) - 兎狐

のらんぶるさん

ありがとうございます。少しコメントを挟ませていただきます。

> exīre ex urbe iubet cōnsul hostem. interrogās mē, num in exsilium?

> 執政官は敵に国外退去を命ずる.さて自分が追放されるのか聞きたいかね.

___

【 exīre ex urbe iubet cōnsul hostem 】
元老院議員のカティリーナをあからさまに「外敵」(hostis) と言ってますね。
主語 consul の解釈ですが、命じているのが「執政官」であることが強調されているように思えます。この箇所は第10節以降何度も言われていることの繰り返しになるので、「執政官が」命じているのだということで権威を付与するという意図がありそうです。

【 interrogās mē, num in exsilium? 】
お読みの通り、num ~ は直接疑問文として読むのが正解と思います。"num in exilium" を "interrogas me" の間接疑問文として読む可能性は、校訂によって num の前にコンマが打たれていることから排除されます。他の校訂本でもコンマが打たれたりコロンが置かれたりしています。すなわち、私が確認した校訂者は皆 num 以下を直接疑問文として読むことを指示しています。とすると、"interrogas me" はこの疑問文の前置きのような立ち位置になろうかと思います。
 「お前は私に問う、まさか追放なのか?」
ここを間接疑問文として読むと「~と問うているのか?」となり、かなりニュアンスが異なって来ます。この箇所のコンテキスト上の役割を見てみますと、直後の文章が「(そう問うのであれば)答えてやろう」などといった前置きも何もなく、このカティリーナの疑問に答える文が置かれています。ということは、キケローはこの箇所でカティリーナとの直接的な問答が展開されているような形を取っていると読むことができます。校訂もこのような読み方がされているのではないかと思います。
  カティリーナ「まさか追放を命じるのか?」
  キケロー「いいや、そうじゃない。しかし、お前が私に相談を持ちかけるのであればそう助言する。」
このような問答です。

また、num は否定の答えを予期する疑問文を導入するので、「~なのか?(まさか違うだろう)」という含みがあります。num 以下は動詞も何もなく in exsilium の前置詞句しかおかれていないので、省略されているものを補ってみると次のようになるでしょうか:
   num (tu me exire ex urbe) in exsilium (iubes)?
  「まさか(君は私が街から)追放の地へと(出てゆくようにと命じているのか)」


Edit
Edit
2014/07/18 (Fri) 08:50:14 Re: Catil. 1.13 - noukoknows

すみません, すっかり締め切りを失念しておりました. 暫くお待ちいただければ幸いです.

Edit
Edit
2014/07/18 (Fri) 14:37:08 Re: Catil. 1.13 - 兎狐

のうこさん

ご丁寧にありがとうございます。承知致しました。私も担当分が2日前に期限を迎えておりました。本日中に出せればと思っております。よろしくお願いします。

Edit
Edit
2014/07/18 (Fri) 23:48:53 Re: Catil. 1.13 (6) - 810874

遅くなってすみません。担当分の (6) です。よろしくお願いいたします。

quae nota domesticae turpitūdinis nōn inūsta vītae tuae est?
「家庭の堕落というどんな烙印が,おまえの生活に押されなかっただろうか?」

quae: 全体として修辞疑問になっている。「どのような烙印が押されなかっただろうか?(→このような烙印は確かに押されたのだ)」。
domesticae turpitūdinis: 説明の属格。(7) と合わせて対になっているので,domesticae に「家庭」という訳語をあてて,それが turpitūdinis にかかっていると解釈した。
vītae tuae: domesticae を「家庭」としたので,vītae には「生活」という訳語をあててみた。

Edit
Edit
2014/07/19 (Sat) 00:12:43 Re: Catil. 1.13 (8) - 兎狐

担当分です。遅くなりまして申し訳ありません。

(8) quae libīdō ab oculīs, quod facinus ā manibus umquam tuīs, quod flāgitium ā tōtō corpore āfuit?

「いかなる情欲が両の目から、如何なる犯罪がかつてお前の両の手から、如何なる悪事がその全身から消えた状態になったか。」

直訳調で訳すとこのようになると思いますが、いかにも"訳文"といった感じです。

Edit
Edit
2014/07/25 (Fri) 03:31:47 Re: Catil. 1.13 (6) - 兎狐

810874さん

ありがとうございます。

> quae nota domesticae turpitūdinis nōn inūsta vītae tuae est?
> 「家庭の堕落というどんな烙印が,おまえの生活に押されなかっただろうか?」

___

【 quae nota domesticae turpitūdinis 】
nota 「烙印」からは逃亡奴隷 (fugitīvus) の額に焼き付けられる F の文字が思い浮かべられます。奴隷にとって逃亡は犯罪なので、その烙印には犯罪者の印という意味が込められているように思われます (Johnston, §172 — http://goo.gl/TpXCGZ). turpitudo は見た目の「見苦しさ」を原義として、そこから「恥辱、不名誉」といった意味が派生したようです。
 「いかなる家庭における恥辱の烙印が」
 ___
  Johnston, H. W., (1903, rev. 1932) The Private Life of the Romans


【 nōn inūsta vītae tuae est 】
inūrere は ūrere (焼く)] からの派生で「焼き付ける」といった意味になり、恥辱の烙印が vitae つまり「生活」に焼き付けられると言われるのですが、この与格名詞 vita は「額」の隠喩として導入されているのでしょう。この完了 (inusta est) は 現在完了でしょうね。
 「お前の生活に焼き付けられなかったか」

仰るとおり修辞疑問になってますので、「あらゆる家庭における恥辱の烙印がお前の生活には焼き付けられてきた」というように解して良いかと思います。


Edit
Edit
2014/08/01 (Fri) 00:06:20 Re: Catil. 1.13 (6) - 810874

兎狐さん

お返事が遅くなってすみません。コメントありがとうございます。

> nota 「烙印」からは逃亡奴隷 (fugitīvus) の額に焼き付けられる F の文字が思い浮かべられます。
これはとても面白いです! そういう connotations があるとは。

> この与格名詞 vita は「額」の隠喩として導入されているのでしょう。
nota が逃亡奴隷への烙印という含みを持つということを考えればいちおう理解できるとはいえ,正直なところ vita「生活」が「額」の隠喩というのは,あまりぴんとこないのですが,このたとえはラテン語でよくあるものなのでしょうか?(こういう質問が適切なのかわかりませんが…)

Edit
Edit
2014/08/01 (Fri) 00:48:42 Re: Catil. 1.13 - 兎狐

810874さん

ご感想ありがとうございます(喜)ご質問の件ですが、

「"Fの烙印"が"額"に焼き付けられる」
 →「"恥辱の烙印"が"生活"に焼き付けられる」

 ”Fの烙印” = "恥辱の烙印"
 "額" = "生活"

この対応関係を言うために「隠喩」 という言葉を使いましたが、ご指摘のとおり生活が額を直接的に暗示するものではないですから、ちょっと不適切だったかもしれません。文全体としてこのような対応関係が理解されるということを意図したものでありました。謹んで訂正いたします。

Edit
Edit
2014/08/05 (Tue) 10:15:36 Re: Catil. 1.13 (6) - 810874

兎狐さん

なるほど。ラテン語によくあるレトリックというよりは,少なくともこの文においてそのような対応関係が成り立っているということですね。了解いたしました。
わざわざありがとうございます。

Edit
Edit
2014/08/12 (Tue) 13:43:06 Re: Catil. 1.13 (7) - fnkm

担当を割り振られていることに今気付きました。すみません。

(7) quod privatarum rerum dedecus non haeret in fama?

「どんな私事の不名誉が(お前の)評判にこびりついてないのか?」

訳だけでお願いします。

Edit
Edit
2014/08/20 (Wed) 10:37:58 Re: Catil. 1.13 (7) - 兎狐

fnkmさん

ありがとうございます。

(7) quod prīvātārum rērum dēdecus nōn haeret in fāma?

>「どんな私事の不名誉が(お前の)評判にこびりついてないのか?」

お訳しの通りです。privatarum rerum で、プライベートな私人が犯し得るあらゆる不徳な事柄をカティリーナは犯している、ということが言われているのだろうと思います。次のように意訳出来ようかと思います:
 「私人としてのお前にはあらゆる下劣な噂がこびり付いている」


Edit
Edit
2014/09/21 (Sun) 08:46:48 Re: Catil. 1.13 (9) - 兎狐

のうこさんがお忙しくなられましたので、代わりに提出致します。

(9) cuī tū adulescentulō quem corruptēlārum inlecebrīs inrētissēs nōn aut ad audāciam ferrum aut ad libīdinem facem praetulistī?

「堕落させる誘惑によってお前が寄せ集めた若者に、お前は放逸にふけるための武器を、放蕩のための松明を差し出さなかったか。」

cuī : qui quae quod {masc. sg. dat. = adulescentulo} 修辞疑問文を導入する。「お前が~したところの若者に対して」 / adulescentulō : adulescentulus ~a ~um {masc. sg. dat., as sb.} = adulescēns + 指小辞 -ulus 「少年」 / quem ; qui quae quod {masc. sg. acc. = adulescentulum} / corruptēlārum : [corrumpere (corrupt-) + -ēla] 接尾辞 -ēla/-ella は基本的に動作をそのものを言い表す名詞を作るので、基本的には動詞から派生する (e.g. loquēla < loquī ; querēla < querī ; tūtēla < tuērī ), cf. rumpere 「裂く」 / inlecebris : illecebra ~ae, f. {pl. abl.} [illicere (in- + lacere) "誘惑する" + -bra] 「好餌(誘惑物)」 接尾辞 -bra は -bulum (-bula), -culum, -crum, -trum なんかと同じく、基本的には動詞の語幹にくっ付けられて、その動詞の表す動作を遂げるための手段や道具を意味する名詞を形作る。 / inrētīssēs : irrētīre {plpf. subj. act. 2sg.} [rēte ~is, n. "(捕獲のための) 網"] 「(網で)捕獲する」 ここまでが関係文。 / nōn : praetulisti にかけられて「差しださなかったか?」 / aut . . aut : 「あるいは . . あるいは」 / ad : 目的の前置詞。 / ferrum : praeferre の対格目的語 / libīdinem : 「情欲」 / facem : fax facis, f. 「松明」praetulistī?

Edit
Edit
名前 URL
件名
Image
編集削除キー